クレジットカードを申し込むときに、年収を記入する欄があります。
credit(信頼、信用)cardというだけあって、信頼や信用が全くない人には持つことのできないカードがクレジットカードです。
そう考えると、収入や年収の欄はできるだけ大きいほうが審査に通りやすいと思いますよね。
ただ、ここの欄に記入された年収ってどうやって確認しているんでしょうか?
また、この欄に適当な年収や嘘の申告をしたらバレてしまうものなのでしょうか?
今回はクレジットカード申し込み時の年収にまつわる審査基準について詳しく解説していきます。
目次
年収は原則として確認されない
結論からいうと、年収は原則として確認されません。
確認されないといういい方は語弊がありますが、正確に言うと『そこまで厳密な確認はされない』という感じでしょうか。
『年収は適当に書いていいんだろうか?』、『嘘の申告をしたらバレて落ちるのかな?』
こんな疑問を持っている人の多くは、勤め先の会社に連絡などがいって調査されているのかな?とか、独自の情報網で年収とか手取り額を算定することができるのかな?と思っているかもしれません。
しかし、いくらクレジットカード会社であっても年収についてそこまでの情報網を持っているわけはありませんし、わざわざ調査をすることもありません。
推測の年収で問題なし
年収をそこまで厳密に確認することはないということは、新社会人やアルバイトで正確な年収がわからないという場合でも推測の年収を書いておけば問題ないということです。
実際、新入社員1年目で、まだ1カ月や2カ月そこそこしか働いていない場合にはどうやっても正確な年収をはじき出すことはできません。
アルバイトの場合もほとんどが時給制ですので、年収を正確に計算することは不可能でしょう。
クレジットカード会社としても、新入社員やアルバイトに対してそこまで正確な年収の記載なんて要求していません。
年収欄はあくまでも複数ある審査項目のひとつの要素として存在しているということを覚えておきましょう。
それじゃあ何のために年収を書くの?
年収に関してはいちいち厳密な調査をしないということは、年収の記入欄なんてあってもなくても同じじゃない?と思う人もいるでしょう。
しかし、年収欄は審査のうえでしっかりと役に立っています。
クレジットカードの審査はすべて人の手で行っているわけではなく、システムによる自動審査と人間の手によるマニュアル審査(手動審査)が併用されています。
システムによる自動審査というのは、いわゆるスコアリングと呼ばれている点数化による審査です。
これによって申込者をふるいにかけ、多数の申し込みのなかから人を絞るわけですね。
年収欄に記入されている数字は、まさにこのスコアリングの段階で役立っているのです。
記入された属性(年齢や職業・役職)と年収が相応しいものかどうかを判断するために用いられています。
年収が確認される場合
厳密な確認はされないといっても、それは原則であって例外的に厳密な年収確認(マニュアル審査)が行われることもあります。
マニュアル審査が行われる場合というのは、大きく分けて以下の3つのケースが考えられます。
- キャッシング枠を申し込んでいる場合
- 事故情報や多重債務の状態にある場合
- 統計データと照らし合わせて不自然な場合
いずれも年収の厳密な調査をされる可能性が高いというだけであって、必ずしもされるわけではありませんので注意してください。
キャッシング枠を申し込んでいる場合
クレジットカードにはキャッシング機能をつけることができます。
キャッシングはいわゆる借金をすることですので、貸金業法の定める総量規制が適用されます。
総量規制というのは簡単に言うと、貸付金額の上限を年収の1/3にとどめるとする仕組みのことを言います。
年収300万円であれば100万円、年収700万円であれば約230万円が上限ということになりますね。
総量規制の上限額はあくまでもすべての借入額の総額で計算されます。
そのためキャッシング枠を申し込んでいる場合、クレジットカード会社はその人の年収と借り入れ状況をしっかりと調査する必要が出てくるわけです。
事故情報や多重債務の状態にある場合
この場合、クレジットカード会社にとってはリスクのある顧客という判断になりますので通常の場合よりも厳密な調査は免れません。
事故情報がある場合というのは過去に支払いの延滞や債務整理、破産などの経験がある場合です。
一方、多重債務というのは他の金融機関から多数の借入を行っている状態をいいます。
統計データと照らし合わせて不自然な場合
適当に書いた場合や嘘の申告をしたときにもっとも可能性があるのはこれでしょう。
統計データというのはクレジットカード会社に蓄積された過去のデータのことです。
職業や年齢、役職などの膨大なデータと照らし合わせ、統計的にあまりにも不自然だと思われる場合にはマニュアル審査の対象となります。
あくまでも一例ではありますが、23歳、一般企業勤務で年収1,000万という場合にはマニュアル調査の対象になることがあります。
自営業・個人事業主の場合は年収欄が重要な意味を持つ?
基本的に自営業や会社の代表、個人事業主といった職業の人はクレジットカードが作りにくいといわれています。
それだけ不安定だと思われているからこそ作りにくいわけですが、このような職業をしている場合には年収欄が重視される傾向にあります。
たとえ過去になんの事故歴もなく、本当の年収を記載していたとしても調査の対象になることはあります。
そもそも自営業や会社の代表などの場合には年収の額に差がありますので統計的なデータはあまり信用できないわけですね。
そのため、このような職業についている場合には前年の年収などを参考にできるだけ正確に記載するようにしましょう。
嘘が判明した場合には社内ブラックに
それでは、もし嘘の申告をしてそれがカード会社にばれてしまった場合、どんなリスクがあるのでしょうか。
年収の虚偽申告は法的に何か問題があるのでしょうか。
これは一概にいうことはできませんが、まず余程のことがない限り法的に罰せられることはありません。
そもそも意図的に嘘をついたのか?それとも勘違いで記入してしまったのかを立証することは極めて難しいので、カード会社としてもいちいち法的責任の追及はしません。
ただし、意図的な虚偽や悪質な嘘であると判断された場合には、社内ブラックになる可能性はあります。
社内ブラックというのは一般的なブラックとは違い、クレジットカード会社内部で独自に作成するブラックリストに掲載されるということです。
社内ブラックになってしまうと、その会社でのカードの作成は今後難しくなります。
しかも一般的なブラックは掲載期限があるので時間が経てば消滅しますが、社内ブラックは半永久的に残ります。
どれくらいからマズイ?具体例で見る年収の誤差の許容範囲
統計的に見て不自然だと思われる場合にはマニュアル調査の対象になると解説しました。
では、具体的にどれくらいだと不自然だと思われるのでしょうか。
また実際の年収との誤差はどの程度認められるのでしょうか。
これもクレジットカード会社の判断になるため、あくまでも目安ですが、以下に不自然と思われる場合と思われない場合に分けて具体例を取り上げましたのでひとつの参考にしてみてください。
不自然だと思われない(許容範囲の)ケース
不自然だと思われるケース
年収は総支給額を書く
意外と勘違いをしている人も多いので補足しておきますが、申し込み時の年収欄には手取り額ではなく、総支給額を記載します。
総支給額というのは会社の積立金や各種税金などが引かれる前の数字です。
手取り額で書いたとしても誤差の範囲として認識されますので、そこまで大きな問題はありませんが、わざわざ低く申告する必要もありませんので予め押さえておきましょう。
他社からの借り入れ状況は即刻バレるので要注意
年収についてはそこまで厳密に書く必要はなく、カード会社も大体の数字でいいと思っているということを解説しました。
しかし、その他の項目に関しては虚偽記載をすると即ばれますので要注意です。
例えば、他社からの借り入れ状況ですね。
借入の金額が多く、複数社から借金をしている場合には後ろめたさを感じて虚偽の記載をしてしまう人がいます。
ただ、クレジットカードの審査は信用情報機関への照会を行うのが原則になっていますので、この段階でどうしてもばれてしまいます。
年収もそうですが、意図的な虚偽記載はバレたときのリスクが大きくなりますので、できる限り正確に書くことをおすすめします。

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